自然災害などでライフラインが寸断された時に備え、『水道水を保存しておきたい』と思う方も多いのではないでしょうか?
水道水であればミネラルウォーターに比べて、手軽に保存することが出来ます。
しかし、水道水の保存期間を知らないと、いざという時にせっかく保存した水道水を使用できなくなってしまいます。
さらに誤った方法で保管していると細菌が繁殖し、それを飲むことで下痢や嘔吐、高熱などを引き起こす恐れがあるため、十分に注意しておかなければなりません。
今回の記事では、水を備蓄したいと考えている方のために、水道水の保存期間と保存する際の注意点について解説していきます。

水道水の保存期間はどのくらい?
水道水は、塩素などの殺菌剤によって雑菌の繁殖を抑えられていますが、時間の経過ととも残留していた塩素の効果が徐々に薄れていきます。
そのため、塩素が完全に抜けてしまうまでの3日間は常温で水道水を保存でき、冷蔵庫では1週間~10日程度が飲用に適した状態を保つことができます。
浄水器を通した水や沸騰させたものは塩素の効果が弱まるため長期保存(飲用)には向いていませんので、塩素の臭いが気になる場合でも水道の蛇口からそのまま容器に注いで保存しましょう。
どうしても塩素が気になる場合は、飲用するときに煮沸してから飲んでください。
また、細菌は10~60℃の間で増殖し、30~40℃の間で最も活発になるため、夏場の常温や直射日光はとても危険です!
このように上記の保存期間はあくまでも目安なので、季節や保存場所によって変動する点には注意してください。

水道水の保存方法と長持ちさせる方法
水道水を保存するためには、正しい方法を知っておく必要があります。
ここからは、水道水の適切な保存方法と注意点を紹介します。

①清潔で蓋のできる容器に、空気に触れないよう口元までいっぱいに入れる
雑菌を入れないようにするため、できるだけ空気に触れさせないようにしましょう。
ポリタンク(持ち運びが便利な10リットル缶がおすすめです)や口をつけていないペットボトル、水筒などの蓋つき容器に満タンに水を入れ、必ず密閉しましょう。
使用する容器は未開封のものや洗ったばかりの清潔なものを選んでください。
保存した水を使用する際も、口から雑菌を移さないために直接口をつけずに、コップなどに注いでから飲むようにしましょう。
②冷蔵庫もしくは冷暗所で保存する
水道水は直射日光に弱く、湿度や温度の高い環境に長くあると水道水に含まれている残留塩素が消失しやすくなります。
細菌は10~60℃の間で増殖するため、常温保存の場合は、直射日光の当たらない冷暗所や風通しの良い場所に置きましょう。
スペースに余裕がある場合は、冷蔵庫に置くと水道水をより長く保存できます。
③煮沸や浄水処理を行わない
水道水を細菌や微生物から守る塩素は、煮沸や浄水器でほぼ完全に除去されてしまうため、保存する場合は蛇口から直接注ぐようにしてください。
煮沸や浄水などを行うと残留塩素が減り雑菌などが繁殖しやすくなるため、できる限り残留塩素を残すためにも水道水はそのまま保存しましょう。
また、朝一番の水道水は残留塩素の濃度が低くなっている可能性があるので、最初のバケツ1杯程度の水は、保存用に使用しないで生活用水に使用してください。

災害時の備蓄
災害時の備蓄用に水道水を保存する場合は、以下の点に注意しましょう。
①大人1人あたり1日3リットルの量を用意する
大人1人が1日に必要な最低量は約2リットルです。
災害時には、トイレや洗濯、調理などにも水が必要になるため、1人あたり3リットルの量を用意しておくと安心です。
1歳未満の乳児は1日1リットルが目安です。
ご家族分の水を確保するのであれば、とてもたくさんの水が必要になるのが分かりますね。
これだけ大量の水を確保しようとするのであれば、水道水を使わない手はありません。
②定期的に入れ替える
水は劣化しやすいため、定期的に入れ替えるようにしましょう。
保存する際に容器に日付を書いておくと、保存期間がわかりやすいですね。
保存期間が過ぎた水道水は、飲用せずに掃除や洗濯、ガーデニングなどで消費してください。
保存期間を過ぎた水道水を飲用すると、水道水の中で繁殖した雑菌を体内に入れてしまうことになり、下痢や腹痛、嘔吐、発熱などの症状を引き起こす可能性があるので絶対に飲まないようにしましょう!
まとめ
水道水は、塩素などの殺菌剤によって雑菌の繁殖を抑えられていますが、時間の経過ととも残留していた塩素の効果が徐々に薄れていきます。
そのため水道水の保存期間は、常温では3日間、冷蔵庫では1週間~10日程度が飲用に適した状態を保つことができます。
災害時など、水道水が利用できなくなる可能性もあるため、水道水の正しい保存方法を知っておくことは大切です。
水道水を保存する際の注意点
・清潔な容器に入れる
・空気に触れないようにする
・直射日光を避ける
災害時の飲用水は長期保存が可能な市販のものやウォーターサーバー、生活用水は水道水の汲み置きを利用する等、備蓄の参考にして下さい!




